前編に引き続き、ニュージーランドで出会ったドイツ人ベニーとの結末をお話です。
モツエカのときのような雰囲気ではなくなってしまっいたことがわかったクライストチャーチでのベニーとの再会。
ベニーの元を離れたあとは、連絡が途絶えてしまった数カ月後に訪れたダニーデンという街で、ばったりベニーとの再会を果たしてしまいました。
嘘のような本当の話。
後半編行ってみましょう。
前編はこちら。
タイミングを逃してしまったベニーとの関係(前回のあらすじ)
ニュージーランドの南島にあるモツエカという小さな町で、ファームの仕事探しをするために泊まった宿で出会ったドイツ人男性のベニー。
出会った当初は目も合わせてくれず、話しかけても返事すらしてくれなかったベニーが、フェイスブックの連絡先を聞いてきたことをきっかけに、ベニーとの距離が一気に距離が縮まっていくお話です。
ベニーはモツエカを離れる日を延長することを決め、予定よりも長く一緒に過ごすことができたけど、いざモツエカを離れるとなるとトラブル続き。
結局1カ月長くモツエカに滞在することに。
ベニーから一緒にモツエカを離れようと誘われたにも関わらず誘いには乗らなかった私は、ベニーがモツエカから1カ月後に、ベニーの住んでいる街まで会いにいってきました。
ですが、モツエカのときのような関係ではなくなっていました。
連絡も途絶えてしまった数カ月後、思わぬ形でベニーと偶然再会することになります。
クライストチャーチを最後に連絡もなくなった
ベニーの宿を静かに離れ、大きなバックパックを背負ってバスターミナルに向かって歩いて行きました。
外はぎりぎりの夜明け前で少しだけまだ薄暗く、東の空から徐々に太陽があがってきていました。
バスに無事に乗り、数時間バスに揺られたあとは、乗り換えで一旦バスを降りて1時間待った後に目的地に到着。
予約していた宿に到着して、ご飯食べてシャワーを浴びて一息できたときに、ベニーにメッセージを送りました。
数日間ありがとう。楽しいひと時をすごせたよ。
こちらこそ。
このあと何て返信したか思い出せませんが、私が送ったメッセージの返信に対してベニーからも連絡もなく、静かにベニーとの関係がフェードアウトしました。
すごく味気ない終わり方で悲しいと思いながらも、新しい職場でのお仕事が始まっていきました。
旅先のダニーデンのギャラリーでばったりベニーと遭遇
移動してきた新しい職場の契約が終わり、私含めた他の従業員の契約も終わり、次の仕事探しを始めることに。
車で30分程にある隣町で仕事が決まったので、次の宿も予約してすぐに移動。
私のワーホリビザの有効期限が2カ月を切っていいました。
南島もちゃんと回っていなかったので、次の職場では3週間だけ働かせていただいて、南島の南部を旅することに。
ずっと行ってみたかった「ダニーデン」という街へ移動しました。
ダニーデンは学生の街でもあり、ストリートアートもたくさん描かれている「アートの街」でもあります。
ギャラリーもたくさんあって、見ごたえのある素敵な街。
ダニーデン滞在2泊目に入場料無料を見つけて、1人でギャラリーの中に入りました。
ギャラリーは2ブロックに分かれていてスペースも結構広く、ゆっくりといろんな作品を観ることができました。
1つ1つ説明文を読みながら丁寧に作品をみていると、どこかから聞き覚えのある声が聞こえました。
懐かしい声だなぁ。
聞き覚えのある声が私の反対側から聞こえてきて、その声のする方向を何の気なしに振り向いてみました。
見覚えのある声と、見覚えのある見た目。
そう、ベニーの姿でした。
気のせいだと思って凝視しますが、どう見てもベニーの風貌にしか見えません。
友達らしき人と話に夢中になっているベニーは、私がいることにはまったく気づいていません。
信じられない状況に取り乱した私は、慌ててトイレへ駆け込んでしまいました。
何でベニーがここに?!クライストチャーチにいるんじゃないの?
でもこんな偶然なかなかないから、戻ってベニーがいたら声をかけてみよう。
興奮した自分を落ち着かせて、ベニーを見かけた場所へ戻ろうと展示場に戻りました。
歩いていたら、向かいからベニーが歩いてきていました。
ベニー?
すれ違いざまに勇気を振り絞って声をかけてみました。
ベニーは一瞬「?」のような顔をして数秒黙っていましたが、私に気づきました。
Imo?!ここで何してるの?他の町にいたんじゃなかったの?
仕事の契約が終わってダニーデンまで旅しに来たの。ベニーこそクライストチャーチで働いてたんじゃないの?お休みできてるの?
そうなの?僕も仕事辞めてダニーデンに移動してきたんだ。
ベニーとクライストチャーチで会って以来、連絡も途絶えてお互いの状況がわからないままだったので、仕事を辞めてクライストチャーチからダニーデンに移動してきたことなんて知りもしなかった私。
ダニーデンでこんな形で再会するなんて、お互いにびっくりでした。
これも何かの縁みたいだから、今日の夜よかったら会おうよ!
もちろん!
ベニーと数カ月ぶりに過ごす一夜
クライストチャーチまでベニーに会いに行ったっきり、フェードアウトしてしまった私たち。
それでも私はベニーのこは大好きだったので、再会がうれしかった。
しかも、ばったり旅先で遭遇することに運命を感じてしまうほどでした。
ベニーとばったり会ったその日の夜は、ベニーと会うことに。
ベニーが、私が宿泊しているホステルまで迎えにきてくれました。
ダニーデンの街をゆっくり2人で歩きながら、
モツエカにいたときの話、クライストチャーチで会ったときの話、連絡取り合っていない間は何をしていたのか…
いろんな話をしました。
ダニーデンはいつまでいるの?
ダニーデンは今日までで明日からインバーカーギルに移動するの。
明日ダニーデンを離れるの?!ダニーデンの滞在を延長できないの?
もうバスも宿も予約してるんだ…
今キャンセルしちゃうとキャンセル代も取られちゃうんだよね。
そんなぁ…せっかく会えたのに。
だったら一緒にインバーカーギル行かない?
それはできない。僕友達と一緒に来てるし、今泊まってる宿も※エクスチェンジで泊まってるからあと2週間は宿泊しないといけないんだ。
※エクスチェンジとは…ホステルやバックパッカーに1日数時間だけ清掃やお手伝いをすると、無料で宿泊ができるシステムのこと
普段は、行きあたりばったりの旅をしているImoですが、このときに限っては次の街の予定もすでに立てていて、バスも宿もばっちし押さえていたのです。
ダニーデンには2泊だけの滞在にしていました。
まさかベニーに会えるなんて思ってもみなかったので、正直今回の旅の計画を変更しようかと頭によぎります。
だけどダニーデンを離れる前日だし、冷静に考えてベニーから言われる言葉に一喜一憂してしまう自分にも疑問を感じてしまう。
今回も、ベニーからの誘いに引き続き、明日からの旅の変更はしませんでした。
ベニーは残念そうにしていましたが、ベニーはベニーでお友達と一緒に旅をしてるんだったら邪魔もしたくないし…
そんな話をしながら私たちが着いた先は、ベニーが泊まっている宿。
中に入り、泊まっている人たちに挨拶して、みんなと少しお話してゆっくり過ごしていました。(お決まりになっていますね)
私が明日からの旅の変更をしないことに、がっかりしていたベニー。
そんな姿が前回のクライストチャーチの再会よりも、ベニーの態度がどこかしら嬉しそうに見えました。
モツエカにいたときのような甘い時間が流れ、そして前回と同様にベニーの部屋で一晩を過ごしました。
出発の日はバス停までお見送りにきてくれた
朝目が覚めたあとは、自分の泊まっていた宿で荷造りとチェックアウトをするために、ベニーを起こさずに静かに出て行きました。
インバーカーギルまでのバスの出発時間がお昼過ぎ。
前回のクライストチャーチを離れるときよりも時間に余裕があります。
私が宿泊していた宿に到着して荷造りしていると、ベニーからメッセージが入ってきました。
バスの出発時間はいつだったけ?
13時30のバスだよ。
お見送りに行きたいからバス停の場所教えて!
出発するバス停が、ベニーの宿の前を通りすぎた先にあったのです。
なのでベニーの宿の前に待ち合わせて、一緒にバス停まで行くことになりました。
待ち合わせの時間に合わせてベニーの泊まっている宿まで行くと、ベニーがスケボーを持って私のことを待ってくれていまいた。
名残惜しさのかけらもないお別れ
待ち合わせ場所で合流したベニーは、前日の態度とは一変、なんだか少し不機嫌そうでした。
何かあったの?
ちょっと宿の清掃のことで業務が増えて言い合いになったんだ。
彼の興味のないことに対してのやる気のなさは、モツエカのファームでクビになったところを見ているので、言い合いになることはなんとなく想像がつきました。
お見送りに行くって言ってくれたことはすごくうれしいけど、なんだか気まずいなとか思いながら、あまり会話もせずにバス停まで到着。
私の乗るバス停の番号を見つけて、一緒に並んで待ってくれました。
並んでるときに私がクッキーを持っていたので、ベニーに一言食べるか聞いてみました。
クッキー食べる?
いらない。
私の目も見ずに、突き放すような言い方で断られてしまいました。
私たちの前に並んでいる人が、私たちのやり取りをみていて話しかけてきました。
何を思ったのか、私たちの前の人はスナックを食べていて、私たちに「食べる?」と聞いてきたのです。
「クッキー食べてるから大丈夫」と私はお断りをしました。
いいね。いただくよ。
ベニーは前の人に聞かれたスナックを貰って食べ始めました。
このあからさまな態度の違いに驚きを隠せない私。
ベニーは甘いものも好きなのですが、そのときだけ甘いものの気分じゃなかったのか、はたまた、私の好意が嫌だったのかはわかりません。
スナックを持ってる人も、ベニーの態度の変わりように正直びっくりした表情を浮かべていました。
そんな彼の態度の変わりように少し傷つきつつも、時間を割いてお見送りにきてくれたので、そこは何も言わずバスをくるまで待っていました。
そして時間通りバスがやってきて、お別れのハグをしてバスに乗り込みました。
指定の席に座って外を見るとベニーがまだ外にいましたが、ずっとスマホをいじって誰かと連絡を取っている様子。
少しして私の方を見もせず、スケボーに乗ってその場を離れていきました。
寂しさがなかったと言ったら嘘になりますが、
ここでのベニーとの別れは、モツエカのときのような悲しい気持ちが不思議となくなっていました。
もう彼とは一緒にはなれないんだろうな。
と、心のどこかで悟っていました。
新しい彼女ができたベニー
ベニーとお別れをしたあとは、ちょこちょこメールのやりとりはしていましたが、いつものごとく彼から返信がなくなりました。
私もニュージーランドを周って日本に帰国。
日本に帰国して1カ月後、ベニーがフェイスブックで久々に写真つきで投稿したものがフィードに上がってきました。
ベニーとダニーデンで最後に再会して2カ月後くらいのときです。
そこにはベニーと女の子の2ショット。
すごい近くて幸せそうな顔をして写っていました。
ベニーは、一緒に居たい子を見つけたみたいです。
そのときはベニーに対しての気持ちはだいぶ落ち着いていましたが、実際に写真とかで新しい人との写真を見たときショックは隠しきれませんでした。
フェイスブックではベニーとは友達のまま残っています。
なので時々ベニーの投稿がフィードにふと上がってきますが、ベニーとその彼女は8年くらい経った今も、ニュージーランドに行ったり、彼女がドイツにきたり遠距離をしながら今でも関係は続いているみたいです。
ベニーがモツエカを離れるときに、私も一緒に付いていけばまた違う人生を歩んでいたのかな。
と2ショットの写真をみたときにポロっと思ってしまったり。
だけど、もう終わったことだよ。
彼女と末永くお幸せに。
まとめ
ファームの仕事探しで泊まっていた宿で出会った、ドイツ人の男性ベニー。
2人の絆や気持ちが高いときに、ベニーと一緒にクライストチャーチへついていかなかった自分に後悔をして、ベニーに会いに行ったけど、お互いの気持ちがずれていたことを実感。
連絡も途絶えて彼との縁も切れたと思いきや、旅先のギャラリーで偶然の再会を果たしました。
ベニーについて行かなかったことを後悔したし、偶然にベニーと出会った瞬間は運命を感じたのも事実。
だけど、1度ずれた気持ちが戻ることはありませんでした。
私も自分の目的を果たすために彼と一緒にいることを選択はしないで、一夜だけを過ごして終わってしまったベニーとの関係。
例え、モツエカからクライストチャーチでベニーと一緒に移動していたとしても、ベニーとはどこかで上手くいかなくなって、私たちの関係は早かれ遅かれ終わっていたと思います。
結果論にはなりますが、ベニーについて行かずに、自分の目的をぶらさないでよかったなと感じています。
次の関係に持っていくタイミングも、環境次第ではなかなか思うようにスムーズにいかないこともあることを、この出会いで学びました。
だけど傷ついたり後悔してもとても、素敵な甘い時間を過ごせたことには変わりありません。
国際恋愛で、いろんな感情との出会いがあるのも面白いですよね。
みなさんにも、そんな苦い恋愛経験はありましたか?
(前編はこちら。)
ニュージーランドの恋愛事情を書いたエピソードは、こちらにもあります。
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